火災保険は何度でも利用できますか？

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火災保険の基本的な仕組み

火災保険は、火災だけでなく台風、落雷、雪害、水害などの自然災害による損害を補償する保険です。契約内容によっては盗難や破裂・爆発なども対象となります。住宅や家財を守るための重要な備えとして、多くの家庭で加入されています。

火災保険は原則として、契約期間中であれば何度でも申請が可能です。損害が補償対象である限り、複数回の保険金請求が認められています。これは「偶発的な損害に備える」という保険の本質に基づくものです。

1.契約期間中は回数制限なし
2.ただし、保険金額の上限に達すると契約終了
3.全損などで一度に上限額を受け取った場合は、再申請不可

火災保険の契約には補償限度額が設定されており、それを超えると契約は終了します。

火災保険には自動車保険のような「等級制度」が存在しないため、保険金を請求しても保険料が上がることはありません。個人の利用履歴ではなく、地域や建物の構造などに基づいて保険料が設定されます。

1.建物が全焼・全損した場合
2.保険金額の80％以上が支払われた場合
3.被保険利益が失われた場合

このようなケースでは、契約が終了し、再度の申請はできなくなります。

1.異なる箇所に新たな損害が発生した場合
2.修理済みの箇所が再度損害を受けた場合
3.契約期間中で補償対象であること

同じ箇所でも、修理後に再度損害が発生した場合は申請可能です。ただし、修理履歴の証明が必要です。

1.修理せずに放置した箇所の再申請
2.故意・重大な過失による損害
3.経年劣化や施工不良による損害

火災保険は「突発的な事故」に対する補償です。自然な老朽化や故意の破損は対象外です。

火災保険には「免責金額」が設定されており、損害額がそれを下回る場合は保険金が支払われません。細かい損害を頻繁に申請すると、免責金額に満たず却下されることもあります。

火災保険では地震・噴火・津波による損害は補償されません。これらは地震保険の対象となります。地震保険も複数回の申請が可能ですが、全損認定を受けると契約終了となります。

1.保険会社へ連絡
2.必要書類の提出（請求書、事故報告書、修理見積書など）
3.鑑定人による現地調査
4.保険金の支払い

申請には写真や修理履歴などの証拠が重要です。

虚偽申告や水増し請求は保険金詐欺に該当し、刑事罰の対象となる可能性があります。また、保険会社からの信頼を失い、契約解除となることもあります。

火災保険は生活再建のための大切な制度です。正しい知識を持ち、必要なときに適切に申請することで、安心した暮らしを守ることができます。申請は慎重に、そして誠実に行うことが何より重要です。

執筆者：ファイナンシャルプランナー　信太　明
掲載日：2025/10/3