シロアリ被害に火災保険は適用される?知らないと損する補償や対策を徹底解説!

床下や柱を、気づかないうちにむしばんでいくシロアリ。放置すれば、建物の構造そのものに深刻なダメージを与え、高額な修繕費用が発生するおそれがあります。

こうした事態に直面したとき、「シロアリによる被害は火災保険で補償されるのだろうか?」と疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、シロアリ被害が火災保険で補償されるケースをはじめ、適用条件や申請時の注意点について、わかりやすく解説します。

シロアリ被害は火災保険の対象になる?

シロアリ被害は火災保険の対象になる?

結論からいうと、シロアリ被害そのものは、原則として火災保険の補償対象外です。なぜなら、火災保険が補償するのは「突発的・偶発的な事故」による損害に限られているためです。

シロアリ被害は、長期間にわたってじわじわと進行する特性を持つため、一般的には「経年劣化」や「自然消耗」とみなされ、通常は補償対象外となります。例えば、三井住友海上の「GK すまいの保険」では、補償対象となる事故として火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災、水ぬれ、盗難、水災、破損・汚損等が挙げられていますが、シロアリ被害は明記されていません 。
参考:GK すまいの保険(すまいの火災保険)補償内容|三井住友海上

ただし、例外も存在します。たとえば、シロアリ発生の原因が自然災害による破損や、配管の破損による漏水など、突発的な事故に起因する場合には、その修繕費用が火災保険でカバーされる可能性があります。

シロアリ被害が火災保険の対象となるケース

シロアリ被害が火災保険の対象となるケース

シロアリの発生原因が突発的な事故や外的要因に起因していると証明できる場合、火災保険の適用を受けられる可能性があります。具体的には以下のようなケースです。

  • 自然災害(台風・暴風・大雪など)が原因
  • 給排水設備の破損による水漏れ
  • 事故や第三者による被害(近隣工事や衝突など)

シロアリは、湿気の多い環境を好む生き物です。上記のようなケースで湿度が高い状態がつくられると、シロアリが発生しやすくなります。

こうしたケースでは、保険金の支給対象となる可能性があるため、被害状況の記録と原因の特定が非常に重要です。被害箇所の写真撮影や、事故発生時の状況メモなどを残しておくと、保険申請時に役立ちます。

各ケースについて、詳しくみていきましょう。

自然災害が原因のケース

シロアリは湿気が多い環境を好むため、台風・暴風・大雪などの自然災害によって建物が損傷し、雨漏りや水漏れが発生すると繁殖しやすくなります。

このようにシロアリ被害のきっかけが自然災害である場合、火災保険の「風災」や「雪災」補償が適用される可能性があります。以下に保険適用のポイントをまとめました。

  • 自然災害による建物の損傷:台風や大雪などの自然災害によって建物が損傷した場合。​
  • 損傷箇所からの雨漏りや水漏れ:損傷した箇所から雨漏りや水漏れが発生し、建物内部に湿気がたまる。​
  • 湿気を原因としたシロアリの発生:湿気の増加により、シロアリが発生し、建物に被害を及ぼす。​

自然災害が原因での事例

台風で屋根の一部が飛ばされ雨漏りが発生。屋根から壁の内側を雨水が伝って、床下まで侵入し、床下を軟化。さらにシロアリが発生する被害までになった。

建物の修繕費用(屋根修理+床下木材の交換)について、原因が自然災害と認められ、火災保険の風災補償で修繕費が支給された。

給排水設備の水漏れが原因のケース

給排水設備の破損や故障によって生じた水漏れが原因で、湿気を好むシロアリが発生し、建物の構造に被害を及ぼすことがあります。この場合、火災保険に付帯される「水漏れ補償」が適用される可能性があります。

基本的に「水漏れ補償」はオプションのため、補償の有無や範囲は契約内容によって異なります。以下に保険適用のポイントをまとめました。

  • 給排水設備の破損や故障による水漏れ:​給排水設備の破損や故障による水漏れが発生した場合。​
  • 水漏れによる建物の損害:​水漏れによって建材が湿り、シロアリが発生し、建物に損害が生じた場合。​
  • 火災保険の「水濡れ補償」の付帯:​契約している火災保険に「水濡れ補償」が付帯されていることが前提となります。

給排水設備による水漏れの事例

洗面所の床がふわふわしているとの相談を受け調査したところ、床下配管の継ぎ目から微量の水漏れが長期的に続いていたことが判明。その湿気により床下木材にシロアリが発生し、一部床板が崩壊。

水漏れ補償が契約に含まれていたため、火災保険で修繕費が支給された。

事故や第三者による被害の場合は特約や別保険で対応できることもある

建物が第三者の行為や事故によって損傷し、その結果としてシロアリ被害が発生するケースがあります。​例えば、近隣の工事による振動で建物に亀裂が生じ、そこから水が浸入して湿気が増加し、シロアリが発生する場合などです。​

このケースでは、以下のような方法で修繕費用を補償できる場合があります。

  • 火災保険の特約
    一部の火災保険には「破損・汚損等補償特約」など、第三者の行為による損害を補償する特約が付帯されていることがあります。ただし、これらの特約は契約内容によって異なるため、事前に補償内容を確認しましょう。
  • 相手方の賠償責任保険
    近隣の工事が原因で被害が発生した場合、工事業者が加入している賠償責任保険で補償されることがあります。​工事業者には、工事中に第三者に損害を与えた場合に備えて「請負業者賠償責任保険」などに加入しているためです。​この保険により、近隣住民への損害賠償がカバーされる場合があります。

被害が発生した際には、以下の対応を行いましょう。

  • 被害状況・原因の記録:​写真撮影や詳細なメモを取ることで、被害の証拠を残す。
  • 保険会社への連絡:​自身の火災保険会社に連絡し、補償の適用可否を確認する。
  • 相手方への連絡:​被害の原因となった相手方に連絡し、賠償責任保険の適用について相談する。

シロアリ被害を火災保険で修繕する3つのポイント

シロアリ被害を火災保険で修繕する3つのポイント

シロアリ被害を火災保険で修繕するには明確な証拠や見積書の提出が必要です。確実に火災保険を適用するため、押さえておきたい3つのポイントをみていきましょう。

  1. シロアリ発生の原因を明確にする
  2. 修繕見積を正確に作成する
  3. 発生時期を明確にする

ポイント1.シロアリ発生の原因を明確にする

火災保険で補償されるかどうかは、シロアリ被害の原因が突発的な事故や自然災害によるものかどうかにかかっています。

保険適用が期待できるケースをおさらいしておきましょう。

  • 台風や豪雨による雨漏りが原因で床下が湿気を帯び、シロアリが発生した場合。​
  • 配管の破損による漏水が原因で木部が腐食し、シロアリが発生した場合。

これらのケースでは、自然災害や設備の故障が原因であることを明確に示すことが重要です。被害後の写真、雨漏りの痕跡、水漏れの位置などを記録しておくと、申請の信頼性が高まります。

ポイント2.修繕見積を正確に作成する

保険申請では、修繕費用を明確に示す見積書の提出が必須です。ただ金額を記載するだけでなく、以下のようなポイントを押さえておくと保険会社からの信頼も高まります。

  • 被害箇所(例:土台、柱、壁など)の明示
  • 修繕内容(例:被害部材の交換、床下の乾燥、薬剤散布など)
  • 原因の記載(例:「雨漏りによる床下の腐食および蟻害」)

さらに、信頼できる第三者業者による調査報告書を添付すれば、申請の通過率はより高まるでしょう。

ポイント3.発生時期を明確にする

火災保険の申請には「事故がいつ起きたのか」をはっきり示すことが求められます。

保険のルール上、事故から原則3年以内であれば申請が可能ですが、被害の発生時期があいまいだと「経年劣化」として却下されるおそれがあるためです。

以下のような情報を記録しておくと安心です。

  • 被害発見の日時
  • 台風や大雨などの気象履歴と一致するか
  • 被害拡大の前後の写真

他に被害の時期を証明する材料として、Googleストリートビュー、気象庁の天気のデーターも使うと良いでしょう。早期発見・早期申請が、保険の適用を受ける最大のポイントです。

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火災保険以外でシロアリ被害の費用を抑える方法

火災保険以外でシロアリ被害の費用を抑える方法

シロアリ被害の修繕費用は、火災保険で補償されるケースもありますが、すべての状況で適用されるわけではありません。火災保険が使えない場合は、修復に数十万円以上の出費が必要なることもあり、大きな負担となります。

しかし、火災保険以外にもシロアリ被害の費用を軽減できる制度や方法は存在します。そこで、いざというとき役立つ費用軽減方法についてご紹介します。

確定申告で雑損控除を活用する

一定の条件を満たせば「雑損控除」として確定申告で税金の還付を受けられる可能性があります。

雑損控除は、災害や事故によって住宅など生活に必要な資産が損害を受けた場合に、所得税の負担を軽減できる制度です。シロアリ被害も「害虫などの生物による異常な災害」として認められ、雑損控除の対象となるケースがあります。
参考:No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)|国税庁

具体的な適用条件は以下のとおりです。

  • 損害を受けた資産が、納税者または生計を一にする配偶者や親族の所有であること。
  • 損害を受けた資産が、日常生活に必要な住宅や家具などであること。
  • 被害が実際に発生し、その損害が具体的であること。

※予防目的の費用や、事業用資産、別荘などは対象外です。

また、申請時には以下の書類が必要となりますので、把握しておきましょう。

  • 修繕費用の領収書
  • 被害状況の写真や報告書
  • 被害原因が自然災害であることを示す資料(気象庁データなど)

リフォームローンを使用する

火災保険が使えない場合や、自己資金で修繕費をまかなえない場合「リフォームローン」の活用も選択肢の1つです。

リフォームローンとは、住宅の改修・修繕・メンテナンスに使える目的別のローン商品で、銀行・信用金庫・ネット銀行などが取り扱っています。

多くのリフォームローンでは、以下のようなシロアリ関連費用も対象になります。

  • シロアリ防除工事(薬剤散布・ベイト工法など)
  • 被害部分の修繕(床下・柱・壁などの補修)
  • 床下換気設備・防湿対策の設置
  • シロアリ対策を兼ねた内装・外装リフォーム

金利や条件は金融機関ごとに異なるため、ご利用前の比較検討がおすすめです。

シロアリ防除工事の保証を利用する

シロアリ対策として防除業者に依頼した場合、多くの業者では施工後5年間の保証を提供しています。再発時に再度料金が発生すると誤解しがちですが、保証の範囲内であれば、無償で再施工を受けられることが一般的です。

確実に保証を利用するためには、以下のポイントが重要です。

  • 施工証明書を保管しておく
    保証の適用には、「施工証明書(施工完了報告書)」の提示が必要になるケースがほとんどです。施工後は必ず書面を受け取り、大切に保管しましょう。
  • 保証期間内に定期点検を依頼する
    定期点検の実施が、保証の継続条件となっている場合もあります。保証書の規定に沿って、年1回の定期点検などを忘れないようにしましょう。

また、後のトラブル回避のため、契約時には以下の点をチェックしておきましょう。

  • 保証の対象範囲
    「再発時の無料施工」だけでなく損害賠償補償までついているか
  • 保証期間と点検条件
    保証が何年続くか、保証の適用条件としてどの頻度での点検が必要か

シロアリ被害を未然に防ぐための知識と対策

シロアリ被害を未然に防ぐための知識と対策

シロアリ被害は一度発生すると駆除や修繕に多大なコストがかかるため、事前の予防が何より重要です。

ここでは、誰でも実践できるシロアリ対策のための予備知識と対策方法を解説します。

シロアリが発生する原因

シロアリの発生には、主に湿気と木材という2つの条件が深く関わっています。

湿気と木材の組み合わせ

シロアリは、湿った木材を好みます。特に、雨漏りや給排水設備からの水漏れ、通気の悪い床下などにより木材が湿気を帯びると、シロアリが繁殖しやすい環境となってしまいます。

木材の地面接触と屋外環境

地面に直接接しているウッドデッキや、庭に放置された切り株・廃材は湿気を含みやすく、シロアリの侵入経路となります。

暗所での発見遅れ

シロアリは光を嫌い、暗くて人目の届きにくい場所を好んで活動します。床下や壁内部、収納の奥などでは特に注意が必要で、発見が遅れると被害が拡大するリスクが高まります。

よって、シロアリ被害を未然に防ぐためには、湿気を管理したり、暗所を定期的に点検したりする必要があります。

シロアリが発生のリスクの高い箇所

上記を踏まえて、シロアリの発生リスクが高い場所をまとめると、以下のとおりです。

  • 雨漏り箇所
  • 給排水設備周り
  • 雨樋(あまどい)
  • 木製ウッドデッキ

これら場所では特に、湿気対策や定期的な点検に力を入れるようにしましょう。

シロアリを未然に防ぐ対策方法

シロアリ被害を未然に防ぐための具体的な方法を解説します。

雨漏り対策

湿気の原因となる雨漏りの対処や予防を適切に行いましょう。ポイントは以下です。

  • 雨漏りを早期発見・修理する
    小さなシミや壁紙の浮きも雨漏りのサインです。異常な「水音」「カビ臭」などにも注意しましょう。
  • 屋根・外壁の定期点検
    屋根のズレ・ひび割れ、外壁のコーキング劣化は雨漏りの原因になります。
  • 内部の乾燥を徹底
    雨漏り箇所を修理しても、壁や床下に残った湿気が残ったままだとシロアリが寄ってきます。風通りを良くし、除湿機や送風機でしっかりと乾燥させましょう。

給排水設備対策

常に水分と接している給排水設備関連では、以下の対策が有効です。

  • 配管に保温チューブを巻く(断熱材)
    市販の「保温チューブ」(ホームセンターでも入手可能)を配管に巻くだけで、冷たい管と空気の接触を防ぎ、結露を軽減できます。
  •  床下の換気口をふさがない
    床下にある換気口を物や雑草で塞がないように注意しましょう。風通しを良くすることで、結露の湿気が逃げやすくなります。
  • 湿気のこもる場所に除湿剤を置く
    市販の除湿剤を、シンク下や洗面台の下に置くだけで、湿度を低下させられます。

雨樋の不具合対策

意外に見落としがちなのが、雨樋(あまどい)の不具合です。ゴミの詰まりや破損により、雨水がうまく排水されずに外壁や基礎部分に雨水が流れ込むと、木材に湿気が到達します。

以下の対策が有効です。

  • 定期的な雨樋の清掃
    落ち葉やゴミの詰まりを防ぐため、年1〜2回を目安に清掃しましょう。
  • 破損やズレを早期発見・修理
    雨樋の接続部や継ぎ目、排水口などにひび割れやズレがないか定期的に点検し、修理を行いましょう。
  • 排水の流れをチェック
    雨の日には実際に水の流れ方を確認し、不自然な箇所から水が垂れてないか、地面に水たまりができていないかチェックしましょう。

木製ウッドデッキでの対策

木製ウッドデッキをシロアリから守るためには、以下のポイントが大切です。

  • 木材を地面に直接接触させず、支柱はコンクリート基礎に設置
  • 加圧注入処理済み木材や人工木など、防蟻・防腐処理された木材を使う
  • デッキ付近では湿気がこもらず、通気性を良くするように空間を確保する
  • 定期的に清掃と点検を行い、落ち葉やゴミは放置しない

業者による定期点検

シロアリは暗く湿った床下や壁の内部など、目に見えない場所でひっそりと被害を進行させるため、定期的な点検が最も有効な予防策です。

とくに木造住宅では、5年に1回を目安に専門業者による床下点検を依頼するのがおすすめです。

防蟻材の散布

シロアリの侵入を防ぐために、防蟻材(ぼうぎざい)を床下や基礎まわりに散布する方法も効果的です。市販のスプレー型防蟻剤もありますが、確実性を求めるなら専門業者による施工が安心です。

一般的に、防蟻材の効果は5年程度持続するとされているため、点検とセットで5年ごとに実施するのが理想です。

シロアリの被害が発生したら、火災保険に適用になるか調べてみましょう

シロアリの被害が発生したら、火災保険に適用になるか調べてみましょう

シロアリの被害は住宅に深刻な損傷を与えるため、放置せず早めの対応が大切です発生原因が自然災害や事故に起因する場合、火災保険の補償対象となる可能性があります。確実に適用を受けるためには「なぜ被害が起きたのか」を正確に把握し、写真や見積書など必要な証拠をそろえて申請することがポイントです。

万が一、火災保険が使えない場合でも、

  • 確定申告による雑損控除
  • 防除工事の保証制度
  • 自治体の助成金制度

といった方法で、費用負担を軽減できる可能性があります。そして何より、被害を未然に防ぐには、定期的な点検と予防処置が欠かせません。いざというときに慌てないよう、日頃から対策を行い、少しでも不安を感じたら迷わず専門家に相談しましょう。

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