子供が壊した壁紙も火災保険で補償されますか?

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目次
1.はじめに
2.火災保険の基本と家財補償・建物補償の違い
3.壁紙が補償対象となる条件
4.補償される主なケースとされないケース
5.保険金請求時の注意点
6.補償を受けるための備えと確認事項
7.おわりに
はじめに
子供が元気に遊ぶのは喜ばしいことですが、時には家の中の壁紙を破ったり、落書きをしてしまったりすることもあります。こうした「子供による壁紙の損傷」は、火災保険で補償されるのでしょうか?
本記事では、火災保険における壁紙の補償対象としての扱いや、補償されるための条件、注意点について詳しく解説します。
火災保険の基本と家財補償・建物補償の違い
火災保険は、主に「建物」と「家財」の2つの対象に分けて契約されます。壁紙は建物の一部とみなされるため、「建物補償」が契約に含まれていなければ補償の対象にはなりません。
- 建物補償:住宅の構造部分(壁、床、天井、屋根など)や、壁紙・フローリングなどの内装材
- 家財補償:家具、家電、衣類、日用品などの動産
つまり、壁紙の損傷については「建物補償」があるかどうかが重要なポイントとなります。
壁紙が補償対象となる条件
壁紙が火災保険で補償されるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 建物補償が契約に含まれていること
- 火災、落雷、破裂・爆発、風災、水災、物体の衝突など、保険で定められた事故による損害であること
- 偶然かつ突発的な事故であること(経年劣化や故意の損傷は対象外)
ただし、子供が遊んでいて壁紙を破ったり、落書きしたりした場合は、通常の火災保険では補償されないことが多く、補償を受けるには「破損・汚損等補償特約」などのオプションが必要です。
補償される主なケースとされないケース
補償されるケースの例:
- 台風で飛来物が窓を突き破り、壁紙が破れた
- 給排水設備の事故により水濡れで壁紙が剥がれた
- 子供が誤って家具を倒し、壁紙が破れた(特約ありの場合)
補償されないケースの例:
- 子供が壁紙に落書きした(特約なしの場合)
- 子供が壁を蹴って壁紙を破った(特約なしの場合)
- 経年劣化や自然な剥がれ
- 故意または重大な過失による損害
- 地震による損傷(地震保険が必要)
保険金請求時の注意点
壁紙の損害で保険金を請求する際には、以下の点に注意が必要です。
- 事故発生時の状況を正確に報告すること
- 損害状況の写真を撮っておくこと
- 修理見積書や修理不能証明書を取得しておくこと
- 故意や重大な過失がないことを説明できるようにしておくこと
補償を受けるための備えと確認事項
- 契約内容を見直し、「建物補償」が付帯されているか確認しましょう。
- 「破損・汚損等補償特約」が付いているかを確認し、必要に応じて追加を検討しましょう。
- 壁紙の修理費用が免責金額(自己負担額)を上回るかどうかも確認しましょう。
- 高額な内装材を使用している場合は、保険会社に事前申告しておくとスムーズです。
おわりに
子供が壊した壁紙が火災保険で補償されるかどうかは、契約内容と事故の状況によって異なります。特に「破損・汚損等補償特約」の有無が補償の可否を左右する重要なポイントです。日常生活での思わぬトラブルに備えるためにも、今一度ご自身の保険契約を確認し、必要に応じて補償内容を見直すことをおすすめします。
執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/10/23