津波被害は火災保険で補償される?地震保険との違いや公的支援の活用法

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目次
1.津波被害と火災保険の誤解
2.火災保険と地震保険の補償範囲の違い
3.津波による主な被害と補償の対応
4.火災保険の特約で津波は補償される?
5.公的支援制度の活用方法
6.罹災証明書の役割と判定基準
7.地震保険が津波に対応する仕組み
8.地震保険の補償対象と支払い基準
9.地震保険の4区分と保険金割合
10.火災保険と地震保険の組み合わせの重要性
11.津波被害時の申請手続きの流れ
12.まとめ:津波への備えと保険の見直し
津波被害と火災保険の誤解
津波による被害は火災保険で補償されると思っている方も多いですが、実際には火災保険では津波被害は補償されません。津波は地震が原因で発生するため、補償対象は地震保険になります。
火災保険と地震保険の補償範囲の違い
1)火災保険の対象
台風・豪雨・洪水・火災・落雷などの自然災害
2)地震保険の対象
地震・津波・噴火による建物や家財の損害
火災保険では「地震が原因の火災」も補償されないため、地震保険の加入が不可欠です。
津波による主な被害と補償の対応
1)建物の流失・倒壊 → 地震保険
2)家財の流出・破損 → 地震保険
3)津波による火災 → 地震保険
4)車両の被害 → 車両保険
5)生活再建費用 → 公的支援制度
火災保険ではこれらの津波被害は補償されません。
火災保険の特約で津波は補償される?
火災保険に津波補償の特約は基本的に存在しません。津波による損害は地震保険でしか補償されないため、特約での対応は不可です。
公的支援制度の活用方法
1)被災者生活再建支援制度
10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村に適用され、全壊(所有)300万円~中規模半壊(賃借)25万円の支援金が支給されます。
2)災害救助法による支援
一時的な住居・食料の提供
3)住宅ローン減免措置
ローンの猶予・減免(罹災証明が必要)
自治体独自の支援金もあるため、早めの申請が重要です。
罹災証明書の役割と判定基準
罹災証明書は公的支援を受けるための重要書類です。判定は浸水の深さと建物の損壊度で決まります。
1)床上1.8m以上 → 全壊
2)床上1m以上1.8m未満 → 大規模半壊
3)床上0.5m以上1m未満 → 中規模半壊
4)床上0.5m未満 → 半壊
5)床下浸水 → 一部損壊
このうち、支援金支給対象は全壊、大規模半壊のみです。
地震保険が津波に対応する仕組み
地震保険は政府と民間が共同で運営し、津波による損害を補償します。火災保険では対応できないため、地震保険の加入が安心につながります。
地震保険の補償対象と支払い基準
1)補償対象
- 建物:住宅の倒壊・損壊・流失
- 家財:家具・電化製品・衣類など
2)支払い基準
被害の程度に応じて4区分に分類され、保険金が支払われます。
地震保険の4区分と保険金割合
1)全損 → 保険金額の100%
2)大半損 → 保険金額の60%
3)小半損 → 保険金額の30%
4)一部損 → 保険金額の5%
浸水の深さや損壊率で判定されます。
火災保険と地震保険の組み合わせの重要性
火災保険と地震保険をセットで加入することで、幅広い災害に対応できます。特に津波や地震のリスクが高い地域では、両方の保険が必要です。
津波被害時の申請手続きの流れ
1)被害状況の記録(写真・動画)
2)罹災証明書の取得
3)保険会社への連絡
4)必要書類の提出(見積書・事故状況説明書など)
早期対応が保険金受給の鍵です。
まとめ:津波への備えと保険の見直し
津波被害は火災保険では補償されず、地震保険と公的支援制度の活用が不可欠です。契約内容を定期的に確認し、必要に応じて見直すことで、万が一の備えが万全になります。
執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/8/28