木造住宅の火災保険は高い?保険料の相場と構造による違い

読了目安時間は4分です。
日本で最も普及している住宅構造の一つが木造二階建て住宅です。しかし、木造住宅を所有する上で気になるのが、火災保険の保険料の相場ではないでしょうか?
木造住宅は、その構造特性から鉄筋コンクリート造(RC造)などと比べて火災保険料が高くなる傾向があります。
この記事では、木造住宅の火災保険に関する疑問を解消します。保険料が高くなる理由や、具体的な相場、そして保険料を抑えつつ十分な補償を得るための構造区分の知識と見直し術を徹底解説します。
目次
1.なぜ木造住宅の火災保険料は高くなるのか?
2.木造住宅の火災保険料の相場と見積もり方法
3.適切な補償を選ぶ:「建物」と「家財」の範囲
4.木造住宅の火災保険を見直すベストなタイミング
まとめ:木造住宅こそ火災保険の「相場」と「構造」を理解しよう
なぜ木造住宅の火災保険料は高くなるのか?
火災保険の保険料は、建物の「燃えにくさ」、つまり構造区分によって大きく変わります。木造住宅の保険料が高くなる主な理由は以下の通りです。
構造区分と保険料の関係
保険会社は、建物の構造を以下の3つに分類し、リスクに応じて料率を定めています。
| 構造区分 | 特徴 | 火災リスク | 保険料の傾向 |
| T構造(耐火構造) | 鉄筋コンクリート(RC)造など。耐火性が最も高い。 | 低い | 低い |
| H構造(準耐火構造) | 一部の鉄骨造、または耐火性の高い木造住宅。 | 中程度 | 中程度 |
| M構造(非耐火構造) | 一般的な木造住宅。火災時の損害が大きくなる。 | 高い | 高い |
木造二階建て住宅は、多くの場合、最も火災リスクが高いとされるM構造(非耐火構造)に分類されるため、保険料が高く設定される傾向があります。
木造住宅の火災保険料の相場と見積もり方法
木造の火災保険の相場は、建物の評価額や地域、補償内容によって大きく変動しますが、一つの目安として把握しておきましょう。
保険料の相場(目安)
・木造二階建て住宅(M構造)の火災保険料相場: 年間1万円〜3万円程度
(※保険期間10年契約の一括払い、補償内容標準の場合。地域や築年数により変動します)
相場を正確に把握する見積もり方法
ご自身の住宅の正確な保険料を知るためには、複数社の見積もりを比較することが不可欠です。
- 建物の評価額を確認: 新築時、または再取得費用を基に算出します。
- 補償内容を設定: 火災・風災・水災など、必要な補償範囲を選びます。
- 複数社の見積もりを比較: 保険会社によって料率が異なるため、必ず複数社で比較検討しましょう。
適切な補償を選ぶ:「建物」と「家財」の範囲
火災保険で補償される対象は、「建物」と「家財」に分類され、別々に契約できます。特に木造住宅は損害が大きくなりやすいため、十分な補償額を設定することが重要です。
・建物の補償範囲: 住宅本体、付属する門、塀、車庫、カーポートなどが含まれます。
・家財の補償範囲: 家具、家電、衣類、貴金属などの動産(動かせる財産)です。
補償内容の選び方のポイント
・風災・水災: 台風や豪雨が多い地域では、風災・水災の補償を付加することが非常に重要です。
・地震保険との併用: 火災保険では、地震・津波・噴火による損害は補償されません。地震保険を併用することで、地震による損害にも備えることができます。
木造住宅の火災保険を見直すベストなタイミング
火災保険は一度入ったら終わりではありません。以下のタイミングで定期的に見直しを行いましょう。
1.住宅のリフォーム・増改築時: 建物の構造や価値が変わった場合。
2.家財の大幅な購入時: 高額な家電や家具を購入し、家財の評価額が変わった場合。
3.家族構成の変化時: ライフスタイルの変化により必要な補償内容が変わった場合。
4.契約更新時: 定期的な契約内容の確認と、その時点での相場比較のチャンスです。
木造二階建て住宅は火災や自然災害のリスクが高いため、構造区分や補償内容を理解し、適切な火災保険を選ぶことが、安心して暮らすための重要な一歩となります。
まとめ:木造住宅こそ火災保険の「相場」と「構造」を理解しよう
木造住宅は、その構造上、火災保険の保険料が高く設定される傾向があります。しかし、これは火災や自然災害のリスクが高いことの裏返しでもあり、火災保険への加入は不可欠です。
大切なのは、ご自身の建物の構造区分を正確に把握し、相場を理解した上で、地震保険や必要な特約(風災・水災など)を適切に付加することです。
定期的な保険の見直しと複数社の見積もり比較を行うことで、補償レベルを維持しながら保険料を最適化できます。安心して暮らし続けるために、この機会に木造住宅の火災保険の契約内容を再確認しましょう。
執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/8/29