家の傾きに火災保険は使える?補償対象になるケースと修繕費用の相場

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目次
1.住宅の傾きに気づいたときの不安
2.火災保険の基本的な補償範囲
3.住宅の傾きが補償対象になるケース
4.地震による傾きは地震保険で対応
5.近隣工事による損傷と賠償責任保険
6.火災保険申請に必要な3つのポイント
7.傾きの原因を明確にする方法
8.修繕費用の相場と補償の可否
9.火災保険以外の費用軽減策
10.地盤調査と定期点検の重要性
11.火災保険契約の見直しポイント
12.まとめ:傾きに気づいたら早めの対応を
住宅の傾きに気づいたときの不安
住宅の傾きは、見た目以上に深刻な問題です。ドアが閉まりにくい、床が斜めに感じるなどの症状が出ると、建物の安全性や資産価値に影響を与える可能性があります。そんなとき、火災保険で補償されるのかが気になる方も多いでしょう。
火災保険の基本的な補償範囲
火災保険は、火災だけでなく、風災・水災・雪災・落雷・破損など、偶発的な事故による損害を補償します。ただし、経年劣化や地盤沈下など、自然消耗による損害は原則として補償対象外です。
住宅の傾きが補償対象になるケース
1) 台風や強風による建物の損傷
2) 地震による地盤の変動(地震保険で対応)
3) 近隣工事による振動や損傷
これらのように、突発的な事故が原因で傾きが生じた場合は、火災保険や地震保険、賠償責任保険の対象になる可能性があります。
地震による傾きは地震保険で対応
火災保険では地震による損害は補償されません。地震保険は、地震・津波・噴火による建物や家財の損害を補償する制度で、政府と民間保険会社が共同で運営しています。住宅の傾きが地震によるものであれば、地震保険の加入が必要です。
近隣工事による損傷と賠償責任保険
近隣の建設工事などによる振動で建物に傾きが生じた場合、工事業者の賠償責任保険が適用されることがあります。まずは原因の特定と、工事業者への連絡が重要です。
火災保険申請に必要な3つのポイント
1) 原因の特定(自然災害・事故など)
2) 修繕見積書の作成
3) 発生時期の記録(写真・メモなど)
これらを揃えることで、火災保険の申請がスムーズに進みます。
傾きの原因を明確にする方法
傾きの原因が突発的な事故であることを証明するために、写真や動画、気象データ、工事記録などを残しておきましょう。第三者による調査報告書も有効です。
修繕費用の相場と補償の可否
住宅の傾き修繕には数10万円〜数100万円かかることがあります。火災保険で補償されるかどうかは、原因と契約内容によって異なります。免責金額や特約の有無も確認しましょう。
火災保険以外の費用軽減策
火災保険が使えない場合でも、以下の方法で費用を軽減できます。
1) 確定申告による雑損控除
2) リフォームローンの活用
3) 自治体の補助制度の利用
点検費用は雑損控除対象外ですが、修繕費用は対象になる場合があります。
地盤調査と定期点検の重要性
住宅の傾きは地盤の問題が原因であることもあります。地盤調査を行い、定期的な点検を実施することで、早期発見と予防が可能になります。特に築年数が経過した住宅では注意が必要です。
火災保険契約の見直しポイント
火災保険の契約内容は定期的に見直しましょう。特約の追加や免責金額の調整、地震保険とのセット加入など、自宅のリスクに応じた補償内容にすることが大切です。
まとめ:傾きに気づいたら早めの対応を
住宅の傾きは放置すると深刻な損害につながります。火災保険や地震保険の補償対象になるかを確認し、必要な書類を整えて申請しましょう。不安があれば専門業者に相談することをおすすめします。
執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/8/29