失火見舞費用保険金とは?火災保険の特約または追加補償

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目次

1.見舞金・費用保険金とは
2.損害保険金との違い
3.臨時費用保険金:使い道自由な心強い味方
4.失火見舞費用保険金:近隣への配慮
5.残存物取片づけ費用保険金:災害後の片付けをサポート
6.地震火災費用保険金:火災保険の範囲外を補う
7.損害防止費用保険金:二次被害を防ぐための費用
8.水道管修理費用保険金:日常生活のトラブルにも備える
9.費用保険金が支払われないケース
10.保険金の請求は忘れずに
11.保険金請求のポイント
12.まとめ:備えあれば憂いなし

見舞金・費用保険金とは

見舞金・費用保険金とは、火災や自然災害によって建物や家財が損害を受けた際に、損害保険金とは別に支払われる一時金です。これは、災害後の生活再建や、損害に伴って発生する様々な臨時費用をサポートすることを目的としています。例えば、損害を受けた家屋の修繕中に仮住まいとしてホテルに滞在する際の費用などがこれに該当します。

損害保険金との違い

損害保険金が、建物や家財そのものの損害を補償するための費用であるのに対し、費用保険金は、損害そのものではない、間接的に発生した様々な費用をカバーします。
損害保険金は、損害額を基準に算定されるのに対し、費用保険金は、損害保険金の一定割合や、定額で支払われるケースが一般的です。

臨時費用保険金

臨時費用保険金は、災害による損害が発生した際に、契約者の判断で自由に使える費用として支払われます。

 1) 災害時の臨時の出費:ホテル宿泊費、食事代、交通費など
 2) 損害保険金の一定割合で支払われるのが一般的:損害保険金の10%〜30%
 3) 限度額が設定されていることが多い:100万〜300万円

使い道が限定されていないため、災害時の様々な予期せぬ出費に対応できる、非常に心強い補償です。

失火見舞費用保険金

失火見舞費用保険金は、火災により近隣の家屋に損害を与えてしまった際に、近隣住民の方へのお見舞い金として支払われる費用です。

 1) 失火によって第三者の建物や家財に損害を与えた場合に支払われる
 2) 1世帯あたり30万円前後が相場
 3) 自身の火災保険契約に付帯されている特約で補償される

近隣住民との関係を円滑に保つためにも、重要な補償と言えるでしょう。

残存物取片づけ費用保険金

残存物取片づけ費用保険金は、火災や災害によって損害を受けた建物の、残存物の片付けや撤去にかかる費用を補償します。

 1) 損害を受けた建物や家財の解体費用、清掃費用、運搬費用など
 2) 損害保険金の一定割合で支払われることが多い
 3) 火災保険の契約内容によっては、この補償が含まれていない場合もあるため、事前に確認が必要

災害後の片付けは大きな負担となるため、この補償があることで、安心して復旧作業を進めることができます。

地震火災費用保険金

地震火災費用保険金は、地震・噴火・津波を原因とする火災による損害を補償します。

 1) 火災保険では、地震・噴火・津波による損害は補償されない
 2) 地震保険に加入していなくても、この特約が付帯していれば、限定的ながらも火災による損害を補償
 3) 保険金額の一定割合が支払われる

地震保険の代わりになるものではありませんが、地震による火災リスクへの備えとして有効です。

損害防止費用保険金

損害防止費用保険金は、損害を最小限に抑えるために緊急的に行った措置にかかった費用を補償します。

 1) 火災時に消火器を使用した場合の薬剤費
 2) 災害時に窓ガラスの飛散を防ぐために行った応急処置費用
 3) 損害の拡大を防止するための費用

これらの費用は、火災保険の契約者が負担する必要がないケースがほとんどです。

水道管修理費用保険金

水道管修理費用保険金は、給排水設備が凍結によって破裂したり、経年劣化により水漏れしたりした場合の修理費用を補償します。

 1) 給排水設備の修理費用や、修理に伴う壁や床の補修費用
 2) 契約者自身の過失による損害は補償されない
 3) 設備の老朽化や経年劣化による損害も補償対象外となるケースがある

日常生活の思わぬトラブルにも備えることができる、便利な補償です。

費用保険金が支払われないケース

費用保険金は、どんな状況でも支払われるわけではありません。

 1) 損害保険金が支払われない場合(費用保険金の前提となる場合有)
 2) 契約者の故意・過失による損害
 3) 損害額が契約で定められた免責金額を下回る場合

保険会社の定める契約内容を事前に確認することが大切です。

保険金の請求は忘れずに

火災保険の保険金は、原則として契約者自身が保険会社に請求しなければ支払われません。災害が発生した際は、速やかに保険会社へ連絡し、請求手続きを行う必要があります。請求手続きには、被害状況を証明する書類などが必要となるため、日頃から災害に備え、必要な書類を整理しておくことが重要です。

保険金請求のポイント

保険金の請求をスムーズに行うためには、いくつかのポイントがあります。

 1) 損害発生後、速やかに保険会社へ連絡する
 2) 損害状況を写真などで記録する
 3) 契約内容を確認し、どのような補償が受けられるかを把握する
 4) 不明な点や不安な点があれば、保険会社や専門家へ相談する

特に、時間が経つと損害認定が難しくなる場合があるため、早めの対応が肝心です。

まとめ:備えあれば憂いなし

火災保険の見舞金・費用保険金は、災害時の経済的な負担を軽減し、迅速な生活再建をサポートするための重要な補償です。

 1) 見舞金・費用保険金は、損害保険金とは別に支払われる一時金
 2) 臨時費用、見舞金、残存物取片づけ費用など様々な種類
 3) 契約内容や免責金額など、事前に確認しておくことが大切

これらの補償を正しく理解し、適切な契約を結んでおくことで、万が一の事態に安心して備えることができるでしょう。



執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/9/2