放火被害でも火災保険は下りる?補償範囲を解説や保険金が出ないケースを解説

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火災の原因は、ストーブの消し忘れやタバコの不始末といった「失火」だけではありません。実は、毎年のように火災原因の上位にランクインしているのが「放火」です。

もし見ず知らずの第三者に自宅を放火されてしまったら、火災保険で家を建て直すことはできるのでしょうか。「自分が原因ではないから保険金は出ないのではないか」と不安に思う方もいるかもしれませんが、正しく契約を理解していれば、放火被害もしっかりと補償の対象になります。

この記事では、放火による被害を受けた際の火災保険の仕組みや、逆に保険金が支払われない注意すべきケース、さらには被害を未然に防ぐための予防策について、専門的な視点からわかりやすく解説します。

目次

1.日本における放火火災の現状とリスク
2.放火被害は火災保険の補償対象になるのか?
3.建物だけじゃない?家財保険の重要性
4.要注意!放火で火災保険金が出ないケースとは
5.放火被害を未然に防ぐためのチェックリスト
6.万が一の放火被害に備えた保険の見直しポイント

日本における放火火災の現状とリスク

総務省消防庁の統計データを確認すると、火災原因の中で「放火」および「放火の疑い」は、常に上位を占めている深刻な問題です。全火災件数のうち約10%程度がこれらに該当し、誰にとっても他人事ではありません。

放火の特徴は、夜間や人目につきにくい場所で発生しやすく、発見が遅れることで隣接する建物へ延焼するリスクが高い点にあります。自分の不注意がなくても、ある日突然、大きな財産的損失を被る可能性があるのが放火の恐ろしさです。

放火被害は火災保険の補償対象になるのか?

結論からお伝えすると、第三者による放火で自宅が被害を受けた場合、火災保険の補償を受けることができます。

火災保険の基本補償には「火災、落雷、破裂・爆発」が含まれており、これには出火原因が失火(不注意)か放火(悪意のある第三者の行為)かは問われません。放火によって建物が燃えてしまった際の復旧費用や、窓ガラスが割れるといった損傷に対しても、契約内容に準じて保険金が支払われます。

 建物だけじゃない?家財保険の重要性

放火の被害は建物だけにとどまりません。室内の家具、家電、衣類なども焼失したり、消火活動による水浸しで使えなくなったりします。ここで注意が必要なのは、「建物」の火災保険だけでは「家財」の損害はカバーされないという点です。

家財を守るためには、建物とは別に「家財保険」を契約しておく必要があります。もし家財保険に入っていない状態で放火に遭うと、生活必需品をすべて自己負担で買い直さなければならず、経済的な更なる困窮を招く恐れがあります。

要注意!放火で火災保険金が出ないケースとは

放火被害であっても、特定の条件下では保険金が支払われない、いわゆる「免責事項」に該当することがあります。どのような場合に放火の火災保険が出ないのか、主な事例を確認しておきましょう。

  • 被保険者本人や家族による放火 保険契約者や被保険者、または同居の親族などが故意に火を放った場合は、保険金は支払われません。これはモラルリスク(保険金詐取)を防ぐための当然のルールです。
  • 重大な過失が認められる場合 契約者側に「放火されることが容易に予見できたのに放置した」といった、故意に等しいほどの著しい不注意(重大な過失)があると判断された場合、支払いが制限される可能性があります。
  • 地震、噴火、津波が原因の火災 地震発生時の混乱に乗じた放火や、地震によって発生した火災による損害は、通常の火災保険では補償されません。これらに備えるには、セットで地震保険に加入している必要があります。

放火被害を未然に防ぐためのチェックリスト

放火は「火をつけられにくい環境」を作ることで、ある程度防ぐことが可能です。消防署などが推奨する以下の対策を行い、自宅の防犯・防火機能を高めましょう。

  • ゴミ出しのルールを守る ゴミを前日の夜から出したり、指定場所以外に置いたりしないようにしましょう。特に古紙などの燃えやすいものは格好の標的になります。
  • 家の周りに燃えやすいものを置かない 段ボール、木材、古タイヤ、古新聞などを屋外に放置するのは危険です。物置には鍵をかけ、整理整頓を心がけてください。
  • 夜間の照明(センサーライト等)を設置する 放火犯は暗がりを好みます。門灯を夜通し点灯させたり、人の動きに反応するセンサーライトを設置したりして、死角をなくすのが効果的です。
  • 郵便ポストを溜めない チラシが溢れているポストは、管理が行き届いていない印象を与え、狙われやすくなります。

万が一の放火被害に備えた保険の見直しポイント

「自分は大丈夫」と思わず、現在の保険契約が放火という不測の事態に対応できる内容になっているか、以下のポイントを再確認してみてください。

  1. 保険金額の設定は適切か 建物を建て直すのに十分な金額(再調達価額)で契約されていますか。
  2. 家財保険が含まれているか 建物のみの契約になっていないか確認しましょう。
  3. 免責金額(自己負担額)の確認 いざという時にいくら自己負担が発生するのかを把握しておきましょう。

放火はいつどこで起こるか予測できません。事前の予防と、万が一の際の正しい火災保険の活用術を知っておくことが、あなたの大切な生活を守ることにつながります。

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執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/9/3