構造、床面積、築年数、地域別の保険料の相場はどのくらいですか?

読了目安時間は4分です。

目次

1.はじめに
2.火災保険料の決まり方
3.構造級別とは何か
4.木造・鉄骨・RC造の保険料の違い
5.床面積による保険料の変動
6.築年数が保険料に与える影響
7.戸建てとマンションの違い
8.地域による保険料の差
9.保険期間と支払い方法の違い
10.補償内容による保険料の違い
11.まとめと選び方のポイント

はじめに

火災保険の保険料は、建物の構造や床面積、築年数などによって大きく変動します。この記事では、保険料の相場を構成する要素を整理し、具体的な目安を紹介します。

火災保険料の決まり方

火災保険料は、以下の要素によって算出されます。

1) 建物の構造級別
2) 床面積
3) 築年数
4) 所在地
5) 補償内容と特約
6) 保険期間と支払い方法

これらを総合して、保険会社が保険料を設定します。

構造級別とは何か

構造級別は、建物の耐火性に応じて分類されます。

M構造:マンション構造(鉄筋コンクリート造など)
T構造:耐火構造(鉄骨造、準耐火建築物など)
H構造:非耐火構造(木造など)

保険料は、M構造<T構造<H構造の順で高くなります。

木造・鉄骨・RC造の保険料の違い

木造住宅(H構造)は火災リスクが高いため、保険料も高めです。

例:東京都・築浅木造一戸建て100平米の場合
地震保険あり:約9〜11万円/年
地震保険なし:約3〜5万円/年

鉄骨造やRC造(T構造・M構造)はこれより安くなります。

床面積による保険料の変動

床面積が広いほど、建物の評価額が高くなり、保険料も上がります。
例:100平米の一戸建てと150平米の一戸建てでは、保険料に1〜2万円の差が出ることもあります。

築年数が保険料に与える影響

築年数が古いほど、火災や損傷のリスクが高くなるため、保険料も高くなります。
築浅物件には「築浅割引」が適用される場合もあります。
例:築10年未満の割引率は約10%

一戸建てとマンションの違い

マンション(M構造)は火災リスクが低いため、保険料が安くなります。

例:大阪府・築浅マンション85㎡平米の場合
地震保険あり:約1.2〜1.7万円/年
地震保険なし:約3,000〜8,000円/年

地域による保険料の差

地域ごとの災害リスク(台風・水災・地震など)により、保険料が異なります。
水災リスクが高い地域では、補償を付けると保険料が大幅に上がることがあります。

保険期間と支払い方法の違い

保険期間が長いほど、割引が適用されるケースがあります。
例:5年一括払いの方が、1年更新よりも総額が安くなる傾向があります。

補償内容による保険料の違い

補償範囲が広いほど、保険料は高くなります。

1) 基本補償:火災、風災、盗難など
2) 特約:地震火災費用、事故時諸費用、残存物片付け費用など

特約の有無で年間数千円〜数万円の差が出ることもあります。

まとめと選び方のポイント

火災保険料は、構造・床面積・築年数・地域・補償内容など多くの要素で決まります。
まずは自宅の構造級別を確認し、複数社の見積もりを比較することが重要です。
保険料だけでなく、補償の質や特約の内容も考慮して選びましょう。


執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/9/9