火災保険は火災限定保険ではなく、総合保険!

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目次

1.はじめに
2.火災保険の誤解
3.火災保険の基本構造
4.補償対象は「建物」と「家財」
5.火災以外の補償とは?
6.自然災害への対応
7.日常生活の事故にも対応
8.盗難や騒擾も補償対象
9.補償されないケース
10.地震保険との違い
11.火災保険の選び方
12.まとめと備えのすすめ

はじめに

火災保険と聞くと、「火事のときに使う保険」と思われがちですが、実はその補償範囲は非常に広く、火災以外の災害や事故にも対応する「総合保険」としての役割を果たしています。本稿では、火災保険の実態とその活用方法について、わかりやすく解説します。

火災保険の誤解

「火災保険=火事専用」という認識は根強くあります。しかし、実際には台風、雪害、水漏れ、盗難など、火災以外の多くの損害に対しても補償されます。保険会社や業界団体も「住宅総合保険」としての性質を強調しています。

火災保険の基本構造

火災保険は、契約時に「建物」「家財」「建物+家財」のいずれかを選択します。これにより、補償対象が明確になります。建物には門や塀、設備類も含まれ、家財には家具や家電、衣類などが該当します。

補償対象は「建物」と「家財」

1.建物:住宅本体、門、塀、車庫、給湯器、エアコンなど
2.家財:家具、家電、衣類、貴金属、宅配物など
3.明記物件:高額な宝石や美術品などは事前申告が必要

火災以外の補償とは?

火災保険は火災だけでなく、以下のような災害・事故にも対応します。

1.風災・雪災・雹災
2.水災・水漏れ
3.落雷・爆発
4.物体の落下・衝突
5.騒擾・盗難・破損・汚損

自然災害への対応

台風や豪雨による損害は、火災保険の主要な補償対象です。屋根の破損、浸水、雪の重みによる損壊など、自然災害による被害は年々増加しています。

日常生活の事故にも対応

日常の不注意による破損や汚損も補償対象です。例えば、掃除中に家電を落として壊した、子どもが窓ガラスを割ったなどのケースでも保険金が支払われることがあります。

盗難や騒擾も補償対象

空き巣による窓ガラスの破損や家財の盗難、デモや暴動による外壁の損壊なども火災保険で対応可能です。これらは「盗難補償」「騒擾補償」として契約に含まれることが多いです。

補償されないケース

火災保険でも補償されないケースがあります。

1.地震・噴火・津波による損害
2.故意・重大な過失による損害
3.経年劣化による損害
4.免責金額以下の損害

地震保険との違い

地震による損害は火災保険では補償されません。地震保険は火災保険に付帯する形で加入する必要があります。地震保険は政府と民間が共同運営しており、補償内容は全国共通です。

火災保険の選び方

火災保険を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。

1.自宅の立地と災害リスク
2.建物と家財の評価額
3.特約の有無(破損・盗難・賠償責任など)
4.免責金額の設定

まとめと備えのすすめ

火災保険は「火災限定」ではなく、生活全般を守る「総合保険」です。火災だけでなく、自然災害や日常の事故、盗難などにも対応するため、正しい理解と適切な契約が重要です。いざという時に備え、安心できる暮らしを守りましょう。


執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/10/3