火災保険料を安くする方法を教えてください。

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火災保険は、マイホームや家財を万が一の災害から守るための重要な備えです。しかし、近年の相次ぐ値上げにより、更新のタイミングなどで「保険料が高すぎる」と感じている方も多いのではないでしょうか。

「火災保険をリーズナブルに抑えたいけれど、必要な補償まで削ってしまわないか不安」

「専門的な用語が多くて、どこを見直せばいいのかわからない」

このような悩みをお持ちの方に向けて、この記事では火災保険料を安くする方法を徹底解説します。保険会社や業界の動向を踏まえた専門的な視点から、賢い契約の仕方をわかりやすく紐解いていきましょう。

目次

1.火災保険料が高騰している背景
2.火災保険料を安くする基本の3つの視点
3.一括見積もりサービスで相場を知る
4.利用できる割引制度をフル活用する
5.補償内容の適正化(家財・特約・水災)
6.免責金額(自己負担額)の設定による節約
7.契約期間の工夫と長期契約のメリット
8.建物の構造級別と保険料の関係
9.ハザードマップと地域特性に応じた補償選び
10.保険会社の選び方とサポート体制
11.まとめ:安さと安心のバランスが大切

火災保険料が高騰している背景

近年、火災保険料は上昇傾向にあり、家計への負担が増しています。これには明確な理由があり、背景を知ることで今後の対策も立てやすくなります。主な要因は以下の通りです。

  • 自然災害の激甚(げきじん)化・頻発化:台風や豪雨による水災、風災などの被害が増加し、保険金の支払額が急増しています。
  • 建築費・修理費の高騰:資材価格や人件費の上昇に伴い、一度事故が起きた際の修理コストが上がっています。
  • 参考純率の引き上げ:損害保険料率算出機構が算出する「参考純率」が、保険金支払いの増加を受けて繰り返し引き上げられています。

過去5年間を見ても、契約条件によっては保険料が30〜50%近く上昇したケースも見受けられます。だからこそ、なんとなく更新するのではなく、自ら能動的に火災保険を安くする方法を模索することが重要です。

火災保険料を安くする基本の3つの視点

保険料を抑えるといっても、単に安いプランを選べば良いわけではありません。万が一の際に役に立たなければ本末転倒だからです。リーズナブルな保険設計をするためには、以下の3つの視点を組み合わせることが基本となります。

  • 必要な補償だけを厳選する:過剰な補償を削り、リスクに合わせた内容にする。
  • 割引制度を最大限活用する:建物や設備の条件に合う割引を適用させる。
  • 保険会社を比較検討する:同じ補償内容でも会社によって保険料は異なる。

これらをバランスよく実施することで、安心を維持しながら保険料の削減が可能になります。

一括見積もりサービスで相場を知る

保険会社によって保険料の算出基準は異なります。そのため、1社だけで判断せず、複数の会社を比較することが火災保険を安くする方法の第一歩です。しかし、1社ずつ見積もりを取るのは手間がかかります。そこで便利なのが「一括見積もりサービス」です。

建物の築年数や構造などの基本情報を入力するだけで、条件に合った複数の保険会社からプランの提案を受けられます。代表的なサービスには以下のようなものがあります。

  • 保険スクエアbang!
  • インズウェブ
  • 保険市場

これらを活用して各社の見積もりを比較することで、同じ補償内容でも年間数万円の差が出ることも珍しくありません。まずは相場感を掴むためにも有効です。

利用できる割引制度をフル活用する

火災保険には、建物の性能や設備に応じて適用される様々な割引制度が用意されています。これらを知らずに申請漏れがないか確認しましょう。

  • 新築・築浅割引:建築から一定期間内の建物に対して適用される割引です。
  • Web申込割引:インターネット経由で申し込み、証券をペーパーレス化することで割引されるケースがあります。
  • オール電化割引・ノンスモーキング割引:保険会社によっては、特定の設備や生活様式に対して独自の割引を設けている場合があります。

ご自身の建物がどのような割引対象になるかを保険会社や代理店に確認し、適用漏れを防ぐことが大切です。

補償内容の適正化(家財・特約・水災)

契約内容を見直す際、特に注目すべきポイントが「家財保険の金額」と「特約」、そして「水災補償」です。

  • 家財補償の金額設定
    建物だけでなく、家具や家電、衣類などの「家財」にかける保険金額が適正か確認しましょう。実態よりも高く設定されている場合、その分保険料が無駄になってしまいます。家族構成や持っている家財の量に合わせて、必要十分な額に設定し直すことで保険料を抑えられます。
  • 特約の必要性
    「破損・汚損」や「個人賠償責任特約」など、様々なオプションがありますが、中にはクレジットカード付帯の保険や他の保険と重複しているものがあるかもしれません。重複を解消することで、火災保険をリーズナブルにできます。
  • 水災補償の判断
    水災補償は保険料のウェイトを大きく占めます。ハザードマップを確認し、高台やマンションの高層階など、水害リスクが極めて低いと判断できる場合は、この補償を外すことも選択肢の一つです。

免責金額(自己負担額)の設定による節約

免責金額とは、事故が起きた際に「自分のお財布から出す金額(自己負担額)」のことです。この設定を工夫することで、保険料を大きく下げることができます。

  • エクセス方式(免責金額設定方式):現在主流の方式です。「損害額から設定した免責金額を差し引いた額」が支払われます。例えば免責を0円から3万円、5万円と上げることで、保険料は安くなる傾向にあります。小さな損害は自己資金で対応し、大きな損害だけ保険でカバーするという考え方です。
  • フランチャイズ方式:古い契約でよく見られる方式で、損害額が一定額(例:20万円)を超えた場合のみ全額支払われる仕組みです。

少額の修理費なら貯蓄で賄えるという場合は、免責金額を高めに設定するのが効果的です。

契約期間の工夫と長期契約のメリット

以前は最長10年の契約が可能でしたが、2022年10月の改定により、現在の火災保険の契約期間は最長5年となっています。

契約期間を1年ごとに更新するよりも、5年分をまとめて契約(長期一括払い)する方が、トータルの保険料は割安になります。長期係数が適用されるため、資金に余裕がある場合は最長の5年一括払いを選択するのが、火災保険を安くする方法として王道です。

建物の構造級別と保険料の関係

建物の「構造」は保険料を決める大きな要素です。燃えにくく壊れにくい建物ほど保険料は安くなります。一般的に以下の3つの区分(構造級別)があります。

  • M構造(マンション構造):コンクリート造のマンションなど。最も保険料が安い傾向にあります。
  • T構造(耐火構造):鉄骨造の戸建てや、耐火建築物の木造住宅など。M構造に次いで割安です。
  • H構造(非耐火構造):一般的な木造住宅など。リスクが高いとみなされ、保険料は高めに設定されます。

木造住宅であっても、「省令準耐火構造」の認定を受けていればT構造と同じ扱いになり、保険料が大幅に安くなる可能性があります。ご自宅の構造を正しく把握し、申告することが重要です。

ハザードマップと地域特性に応じた補償選び

住んでいる地域によって、災害のリスクは全く異なります。自治体が発行しているハザードマップを確認し、自宅周辺のリスクを客観的に評価しましょう。

  • 高台にある場合:床上浸水のリスクがほぼないなら、水災補償を外す検討ができます。
  • 河川の近くや低地:水災補償は必須と言えます。逆に風災リスクなどを精査します。
  • 都市部のマンション:水災リスクより、盗難や階下への水漏れリスク(個人賠償責任特約)を重視すべきかもしれません。

地域特性に合わせて補償をカスタマイズすることで、無駄を省き、本当に必要なリスクに備えるリーズナブルな保険設計が可能になります。

保険会社の選び方とサポート体制

保険料の安さだけでなく、サービス面も考慮して保険会社を選ぶことが大切です。大きく分けて「ダイレクト型(通販型)」と「代理店型」があります。

  • ダイレクト型:代理店手数料がかからない分、保険料が安いのが特徴です。自分で補償内容を決められる人に向いています。
  • 代理店型:担当者が付くため、相談しながら決められます。保険料はダイレクト型より高くなる傾向がありますが、申請時のサポートが手厚い場合があります。

選び方のポイントは以下の通りです。

  • 補償内容と保険料のバランス:安さだけで選ばず、必要な補償が含まれているか。
  • 割引制度の充実度:自分の条件に合う割引があるか。
  • サポート体制の充実:事故時の対応や、申請手続きのサポートがしっかりしているか。

特に、いざという時の保険金請求手続きに不安がある場合は、サポート体制を重視することも長期的な安心につながります。

まとめ:安さと安心のバランスが大切

火災保険料を安くする方法について解説してきましたが、最も重要なのは「安さ」と「安心」のバランスです。

補償内容の見直し、割引制度の活用、複数社の比較、そして免責金額の設定などを駆使すれば、保険料を抑えることは十分可能です。しかし、保険料を削ることに集中しすぎて、必要な補償まで外してしまっては意味がありません。

定期的に保険内容を見直し、ライフスタイルや建物の状況に合わせた最適なプランを維持することが、結果として最も賢い火災保険の活用法と言えるでしょう。自分一人での判断が難しい場合は、専門家の知見を借りることもおすすめします。



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執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/10/3