日本の火山噴火の歴史:基本情報と事例を紹介

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日本列島は、世界有数の火山国であり、その歴史は数々の火山噴火とともに歩んできました。現在も110を超える活火山が存在し、いつ、どこで噴火が起きてもおかしくない状況です。日本の火山噴火は、地震と同様に、私たちの住まいや暮らしに大きな影響を及ぼす自然災害の一つです。
過去の火山噴火の歴史を振り返ることは、単なる知識としてではなく、未来の災害に備えるための重要な教訓となります。特に、噴火による降灰や火山灰の影響は、火災保険や地震保険といった住宅の備えを考える上で欠かせない視点です。
本稿では、古代から現代に至る日本の火山噴火の事例を紹介し、それぞれの時代における被害の特徴や、防災意識の変遷を考察します。過去の教訓を活かし、安全な暮らしを守るための備えの重要性について理解を深めましょう。
目次
1.日本の火山噴火と列島の地理的特徴
1-1. 活火山の分布と噴火のメカニズム
1-2. 日本の火山活動とプレート境界・地震との関連
2.火山噴火の歴史:時代ごとの主な事例と教訓
2-1. 古代・中世から江戸時代にかけての主な噴火記録
2-2. 明治・大正期:大規模噴火と防災意識の芽生え
2-3. 昭和期:火山観測体制の強化と避難事例
2-4. 平成期:長期避難と噴火警戒レベル運用の課題
2-5. 令和期の近年の火山活動の動向
3.火山噴火による多様な被害とその傾向
3-1. 直接的な被害:火砕流、溶岩流、降灰の影響
3-2. 間接的な被害:火山ガスと健康被害、インフラ破壊
4.噴火への備え:行政の対応と制度の変遷
4-1. 火山防災計画の整備と噴火警戒レベル制度の役割
4-2. 地域防災教育と住民の避難意識の再構築
5.まとめと今後の防災における展望
日本の火山噴火と列島の地理的特徴
活火山の分布と噴火のメカニズム
噴火とは、地下のマグマが地表に噴出する現象であり、これに伴い火山ガスや火山灰、溶岩などが放出されます。日本は世界有数の火山国であり、活火山の数は110を超えています。
気象庁では噴火警戒レベルを設定し、火山活動を常時監視しています。火山には、富士山のような成層火山やハワイのキラウエアのような盾状火山などがあり、活動形態も多様です。
日本の火山活動とプレート境界・地震との関連
日本列島は4つのプレートが複雑に交差する地帯に位置しており、これが活発な火山活動の主要な原因となっています。活火山の多くが人口密集地に近接しているため、ひとたび噴火が発生すると、被害が広範囲に拡大しやすいという地理的特徴があります。また、大規模な地震活動と火山活動が連動して発生するケースも過去には確認されており、両者への複合的な備えが求められます。
火山噴火の歴史:時代ごとの主な事例と教訓
古代・中世から江戸時代にかけての主な噴火記録
古代から、富士山や阿蘇山といった主要な活火山の活動記録は文献に残されています。特に江戸時代には、浅間山(1783年・天明噴火)や有珠山(1663年)などの大規模な噴火が記録されています。浅間山の天明噴火では火砕流と大量の降灰により甚大な被害が発生し、「天明の大飢饉」の一因となるなど、噴火が社会不安を引き起こす要因となりました。
明治・大正期:大規模噴火と防災意識の芽生え
明治43年(1910年)の桜島噴火では、大量の溶岩流が海を埋め立て、対岸の大隅半島と陸続きになるなど、地形が大きく変化しました。また、大正3年(1914年)には御嶽山で水蒸気爆発が発生し、登山者に被害が及びました。この時期から、噴火に伴う被害の大きさが認識され、火山研究が進展するとともに、国民の防災意識が高まり始めました。
昭和期:火山観測体制の強化と避難事例
昭和18年(1943年)の三宅島噴火では、火山ガスによる被害が報告されました。また、昭和52年(1977年)の有珠山噴火では、住民の迅速な避難が実施された事例として知られています。この昭和期には、気象庁による火山観測所の設置が進み、噴火予測の精度向上が図られるなど、行政による観測体制が強化されました。
平成期:長期避難と噴火警戒レベル運用の課題
平成12年(2000年)の三宅島噴火では、火山ガスの影響により全島避難が実施され、住民は長期にわたる避難生活を余儀なくされました。さらに、平成26年(2014年)の御嶽山噴火では、噴火警戒レベルが導入されていたにもかかわらず、突発的な噴火により登山者が多数犠牲となりました。この事例は、噴火警戒レベルの運用、特に突発的な水蒸気爆発への対応と避難体制の課題を浮き彫りにする教訓となりました。
令和期の近年の火山活動の動向
令和期に入ってからも、火山活動は活発です。令和3年(2021年)の諏訪之瀬島の噴火や、令和5年(2023年)の桜島の噴火警戒レベル引き上げなど、全国で火山活動が観測されています。火山活動の活発化に伴い、地域防災体制や住民の避難意識の再構築が改めて求められています。
火山噴火による多様な被害とその傾向
直接的な被害:火砕流、溶岩流、降灰の影響
噴火による被害は多岐にわたります。火砕流や溶岩流は、建物やインフラを直接的に破壊する最も危険な現象です。また、広範囲に及ぶ降灰は、農作物への被害、交通機関(特に航空機や鉄道)の麻痺、建物の屋根への積載荷重による倒壊リスクなど、生活全般に深刻な影響を及ぼします。
間接的な被害:火山ガスと健康被害、インフラ破壊
火山ガスによる健康被害(呼吸器系疾患など)も、噴火の長期的な影響として無視できません。さらに、降灰や火山泥流による電気、水道、通信といったライフラインの破壊は、避難生活の長期化につながり、住民の生活基盤を脅かします。
噴火への備え:行政の対応と制度の変遷
火山防災計画の整備と噴火警戒レベル制度の役割
行政は、過去の教訓を活かし、火山防災計画の策定を進めています。特に、噴火警戒レベル制度の導入により、住民への情報伝達や避難体制の整備が進められ、火山活動の状況に応じた迅速な対応が可能となりました。
地域防災教育と住民の避難意識の再構築
学校や地域社会における火山防災教育も強化されており、ハザードマップの活用や避難訓練が実施されています。噴火災害から命と暮らしを守るためには、制度的な整備に加え、地域コミュニティと住民一人ひとりが火山への理解を深め、適切な避難意識を持つことが不可欠です。
まとめと今後の防災における展望
日本の噴火の歴史は、自然の力に対する謙虚な姿勢と、技術の進歩、そして人々の防災への努力の記録でもあります。過去の浅間山や御嶽山の噴火事例から得られた教訓を活かし、今後の噴火に備えることが、安全な社会を築くために不可欠です。
個人・地域・行政が連携し、火山への正しい知識と適切な備えを深めることが、未来の噴火災害から大切な財産と命を守ることにつながります。
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執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/10/7