家の内装リフォーム、費用相場と最新トレンド

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目次

1.内装リフォームの背景と注目の理由
2.2025年の内装リフォームの最新トレンド
3.内装リフォームの費用相場と補助制度
4.事業者選びと今後の展望
5.まとめ


内装リフォームの背景と注目の理由

内装リフォームは、住まいの快適性や美観を向上させるだけでなく、ライフスタイルの変化に対応するための重要な手段です。近年では、在宅時間の増加やテレワークの普及により、室内環境への関心が高まり、内装の見直しを検討する家庭が増えています。

また、築年数の経過に伴う経年劣化や、子育て・介護などの生活ステージの変化に応じて、間取りや素材の変更が求められるケースも多く見られます。国土交通省の調査によれば、住宅ストックの約40%が築30年以上であり、内装リフォームの需要は今後も拡大すると予測されています。

さらに、建築基準法の改正や省エネ基準の強化など、制度面の変化もリフォーム市場に影響を与えており、内装リフォームは「快適性」「安全性」「環境性能」の3つの観点から注目されています。

2025年の内装リフォームの最新トレンド

2025年の内装リフォーム市場では、以下のようなトレンドが顕著になっています。

1)自然素材・エコロジー志向
木材や漆喰、珪藻土などの自然素材を使った内装が人気です。環境への配慮だけでなく、空間に温かみや落ち着きを与える効果があります。

2)ミニマルデザインと個性の融合
シンプルな空間にアクセントとしてアートや照明を取り入れるスタイルが注目されています。無駄を省きつつ、自分らしさを表現するデザインが支持されています。

3)間取りの柔軟化
仕切りを撤去してLDKを広くする、ヌック(小さなこもり空間)を設けるなど、暮らしに合わせた間取り変更が増えています。造作収納やウォークインクローゼットの新設も人気です。

4)スマートホーム化
照明や空調の遠隔操作、センサーによる自動制御など、IoT技術を活用した内装リフォームが進んでいます。高齢者や共働き世帯にとって利便性の高い設備が求められています。

5)中古住宅+リフォームの一般化
中古住宅を購入して内装を一新する動きが広がっています。「リノベーション住宅ローン」の普及により、購入と改修を一体化した資金計画が可能になっています。

内装リフォームの費用相場と補助制度

内装リフォームの費用は、施工範囲や素材、住宅の形態によって大きく異なります。以下は代表的な費用相場です。

1)工事内容別の費用相場
・壁紙(クロス)張替え:800円~2,500円/㎡
・フローリング張替え:2万~6万円/畳
・間仕切り撤去:7万~23万円/箇所
・間仕切り新設:8万~25万円/箇所
・和室→洋室変更:40万~100万円
・ウォークインクローゼット新設:30万~50万円
・壁面収納造作(2m幅):30万~40万円

2)フルリフォームの費用目安(3LDK・約70~100㎡)
・壁・天井・床材の張替え:130万~200万円
・+室内扉交換:200万~380万円
・+水回り設備交換:380万~620万円

3)補助金制度の活用
内装リフォーム単体では補助対象になりにくいですが、以下のような制度と組み合わせることで補助が受けられる可能性があります。

・子育てエコホーム支援事業(省エネ改修)
・断熱リフォーム支援事業(壁・床・天井の断熱材施工)
・介護保険住宅改修費支給制度(バリアフリー対応)
・先進的窓リノベ事業(窓交換に伴う内装改修)

補助金の申請には、着工前の手続きと登録事業者による施工が必要です。制度内容は年度ごとに変更されるため、最新情報の確認が重要です。

事業者選びと今後の展望

内装リフォームは、見た目だけでなく機能性や安全性にも関わるため、信頼できる事業者の選定が重要です。

1)資格・実績の確認
建築士やインテリアコーディネーターなどの資格を持つ事業者は、空間設計や素材選定に強みがあります。施工実績が豊富な会社ほど、提案力や対応力も高い傾向があります。

2)保証制度の有無
施工後の不具合に備えて、工事保証や瑕疵保険に加入している事業者を選ぶと安心です。火災保険や地震保険との連携も可能な場合があります。

3)地域密着型の対応力
地域の気候や建物特性に精通した事業者は、最適な素材や施工方法を提案できます。特に湿気の多い地域では、防湿性の高い素材の選定が重要です。

今後の内装リフォーム市場は、デザイン性・省エネ性能・スマート化の3軸で進化していくと予測されます。住宅の快適性と資産価値を高めるためにも、内装リフォームは「暮らしの質を高める投資」として捉えるべきでしょう。

まとめ

内装リフォームは、住まいの快適性・安全性・美観を向上させる重要な取り組みです。2025年のトレンドでは、自然素材やスマート設備、間取りの柔軟化が進み、補助制度の活用によって費用負担も軽減可能です。

信頼できる事業者と連携し、目的に応じた最適な施工方法を選ぶことで、満足度の高いリフォームが実現します。内装のリフォームは、暮らしの質を根本から変える力を持っています。



執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/11/11