火災保険の鑑定人とは?調査結果に納得できない場合の対応方法

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目次

1.鑑定人とは何者か
2.鑑定人が訪問する理由
3.調査対象となるケース
4.鑑定人の主な役割
5.現地調査の流れ
6.資料との照合
7.調査結果が保険金に与える影響
8.調査を通過するためのポイント
9.契約者が注意すべき点
10.調査結果に納得できない場合の対応
11.鑑定人との面談での心構え
12.まとめと今後の備え

鑑定人とは何者か

火災保険の申請後、保険会社から鑑定人が訪問する旨の連絡を受けることがあります。鑑定人とは、保険会社から委託を受けた損害保険鑑定の専門家であり、事故や損害の状況を調査し、保険会社に報告する役割を担っています。

鑑定人が訪問する理由

鑑定人が訪問するのは、申請された損害について詳細な確認が必要な場合です。損害の有無や事故の原因、保険契約の有効性などを調査するために現地に赴きます。

調査対象となるケース

1) 事故の原因や発生状況の確認が必要な場合
2) 損害の額や事故との因果関係の確認が必要な場合
3) 保険契約の解除や無効の可能性がある場合

これらのケースでは、鑑定人による現地調査が行われます。

鑑定人の主な役割

鑑定人は、損害の状態や事故の状況を正確に把握し、保険会社に報告します。その報告は保険金の審査に大きく影響するため、鑑定人の調査は非常に重要です。

現地調査の流れ

1) 契約者から事故や損害の説明を受ける
2) 被害現場を確認し、写真や資料を収集
3) 提出された申請書類と現場の状況を照合

これらのステップを通じて、鑑定人は損害の正当性を判断します。

資料との照合

鑑定人は、申請書類に記載された損害内容や修理見積額が、実際の現場と一致しているかを確認します。過剰な見積もりや経年劣化による損害と判断された場合、保険金額が減額される可能性があります。

調査結果が保険金に与える影響

鑑定人の報告は、保険会社の審査に直接影響します。正確な調査が行われれば、適切な保険金が支払われますが、調査結果によっては減額や否認となることもあります。

調査を通過するためのポイント

1) 損害発生時の写真や資料を準備する
2) 事故前後の状況が分かる情報を用意する
3) 調査時に契約者自身が立ち会い、説明する

これらを意識することで、鑑定人に正確な情報を伝えることができます。

契約者が注意すべき点

1) 鑑定人の言葉に安易に納得しない
2) 虚偽の事実を伝えない
3) 損害額の交渉を鑑定人に行わない

鑑定人は審査を行う立場ではないため、冷静に対応することが重要です。

調査結果に納得できない場合の対応

1) 保険会社に追加資料を提出して再審査を依頼する
2) 保険会社の相談窓口に連絡する
3) そんぽADRセンターに相談する
4) 成功報酬型申請サポートを検討する

これらの方法で、調査結果に対する異議申し立てが可能です。

鑑定人との面談での心構え

鑑定人は保険会社の味方ではなく、中立的な立場で調査を行います。契約者として主張すべき点はしっかり伝え、資料を整えて面談に臨むことが大切です。

まとめと今後の備え

火災保険の鑑定人との面談は、保険金の支払いに大きく関わる重要なプロセスです。事前準備と冷静な対応が、適切な保険金受給につながります。今後の備えとして、損害発生時の記録や資料の保管を心がけましょう。



執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/9/1