家の基礎のひび割れは火災保険で修理可能?適用される判断基準と申請のポイント

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建物の安全を支える「家の基礎」にひび割れを見つけたとき、不安を感じる方は多いでしょう。特に、このひび割れの修繕に火災保険が適用できるかどうかは大きな問題です。新築であっても、外的要因や地盤の影響でひび割れが発生することはあります。

しかし、火災保険で補償を受けるためには、「ひび割れの原因が自然災害である」と証明することが不可欠です。経年劣化や施工不良は補償の対象外となるため、保険会社がどのような基準で判断するのか、事前に知っておく必要があります。

本稿では、家の基礎のひび割れが火災保険の対象となる判断基準、申請前に確認すべきポイント、そして修繕費用と保険金との関係について解説します。適切な申請を行い、必要な保険金を確実に受け取るための知識を身につけましょう。

目次

1.家の基礎にひび割れが発生する原因と火災保険の基本的な仕組み
 1-1. 新築住宅でもひび割れが発生する主な原因
 1-2. 火災保険の補償対象となる自然災害
2.ひび割れは火災保険の対象となるか?判断基準と注意点
 2-1. 火災保険が適用されるひび割れの条件
 2-2. 保険金が支払われないケース(経年劣化、施工不良など)
3.保険申請を成功させるための準備と証拠固め
 3-1. 申請前に確認すべき3つの重要ポイント
 3-2. 鑑定人による現地調査の重要性と自然災害との関連性
 3-3. 申請時に必要な書類と裏付け資料
4.修繕費用と保険金の関係、そして今後の対策
 4-1. 修繕費用と保険金の関係性(免責金額と限度額)
 4-2. 専門家への相談のすすめと今後の対策
5.まとめ:家の基礎のひび割れと火災保険の適切な対応

家の基礎にひび割れが発生する原因と火災保険の基本的な仕組み

新築住宅でもひび割れが発生する主な原因

新築住宅でも、外壁や基礎部分にひび割れが発生することがあります。その主な原因としては、施工不良や地盤の沈下といった構造上の問題のほか、台風や豪雨などの気候変動や地震による外的要因が関係している可能性があります。

火災保険の補償対象となる自然災害

火災保険は、火災だけでなく風災、水災、雪災などの自然災害による建物の損害も補償対象となる場合があります。建物の損傷が契約内容に含まれる自然災害によるものであれば、保険金の支払い対象となる可能性が生まれます。ただし、保険会社や契約内容によって補償範囲が異なるため、契約書の確認が不可欠です。

ひび割れは火災保険の対象となるか?判断基準と注意点

火災保険が適用されるひび割れの条件

基礎のひび割れの原因が、台風、豪雨、地震などの自然災害によるものであれば、火災保険(または地震保険)の対象となることがあります。特に地震を原因とする場合は、火災保険ではなく地震保険の補償対象です。

保険金が支払われないケース(経年劣化、施工不良など)

一方で、以下のケースに該当するひび割れは、一般的に火災保険の補償対象外とされることが多く、保険金が支払われないことになります。

  1. 経年劣化や施工不良による損傷。
  2. 契約内容に含まれていない損害が原因の場合。
  3. 申請書類の不備や虚偽申告があった場合。
  4. 損傷の原因が特定できない場合。


保険会社は、損傷の発生時期、原因、損害の程度などを総合的に判断するため、自然災害との関連性を明確にすることが重要です。

保険申請を成功させるための準備と証拠固め

申請前に確認すべき3つの重要ポイント

保険申請を行う前に、以下のポイントを確認し、証拠を準備しておくことが成功の鍵となります。

  1. 契約している火災保険の補償内容を確認する。
  2. ひび割れの発生時期と原因を詳細に記録する。
  3. 写真や動画で損傷状況を多角的に記録する。


さらに、修繕業者の診断書などを用意できると、申請の裏付けとして役立ちます。

鑑定人による現地調査の重要性と自然災害との関連性

保険申請には、保険会社から派遣される鑑定人による現地調査が不可欠です。鑑定人は、損傷の原因や程度を専門的に判断し、保険会社に報告します。調査結果が保険金支払いの可否に大きく影響するため、第三者による客観的な調査は非常に重要です。

この際、損傷が台風や豪雨、地震などの自然災害と関連していることを示すために、気象庁の災害記録や自治体の被災報告などを参考にすることが、申請の裏付けとなります。

申請時に必要な書類と裏付け資料

火災保険の申請時に通常必要となる主な書類は以下の通りです。

  1. 保険証券
  2. 損傷箇所の写真
  3. 修繕見積書
  4. 鑑定人の報告書
  5. 被災状況の説明書類

修繕費用と保険金の関係、そして今後の対策

修繕費用と保険金の関係性(免責金額と限度額)

家の基礎のひび割れ修繕費用が高額になる場合、火災保険の保険金で一部または全額が補填されることがあります。ただし、保険契約によっては、免責金額(自己負担額)や、特定の損害に対する限度額が設定されている場合があるため、事前に確認が必要です。

専門家への相談のすすめと今後の対策

火災保険の申請は、損傷原因の特定や書類作成に専門的な知識が必要な場合があります。保険代理店や鑑定士、修繕業者などの専門家に相談することで、スムーズな申請が可能になります。無料相談窓口を設けている保険会社もあるため、積極的に活用しましょう。

新築住宅でもひび割れが発生する可能性があることを理解し、早期発見・対応が重要です。今後のために、定期的な点検と記録を行い、火災保険の補償内容を把握して、万が一に備えましょう。

まとめ:家の基礎のひび割れと火災保険の適切な対応

家の基礎のひび割れを火災保険で修理するためには、「原因が自然災害であること」を証明する客観的な証拠が不可欠です。適切な保険金を請求するためにも、契約内容を把握し、専門家の力を借りながら申請を行うことが賢明な対応と言えます。



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執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/9/2