家の傾きは火災保険で補償されますか?

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目次
1.はじめに
2.火災保険の基本と建物補償の仕組み
3.家の傾きが補償対象となる条件
4.補償される主なケースとされないケース
5.保険金請求時の注意点
6.補償を受けるための備えと確認事項
7.おわりに
はじめに
住宅の「傾き」は、住まいの安全性や快適性に大きな影響を与える深刻な問題です。床が斜めになっていたり、ドアや窓の開閉が困難になったりすることで、日常生活に支障をきたすこともあります。では、こうした「家の傾き」は火災保険で補償されるのでしょうか?
本記事では、火災保険における家の傾きの補償対象としての扱いや、補償されるための条件、注意点について詳しく解説します。
火災保険の基本と建物補償の仕組み
火災保険は、建物と家財の2つの対象に分けて契約されるのが一般的です。家の傾きは建物そのものの損害であるため、「建物補償」が契約に含まれていなければ補償の対象にはなりません。
建物補償の対象には、以下のようなものが含まれます:
- 屋根、外壁、柱、基礎などの構造体
- 内装(壁紙、床材など)
- 給排水設備、電気設備などの建物に固定された設備
家の傾きが補償対象となる条件
家の傾きが火災保険で補償されるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 建物補償が契約に含まれていること
- 傾きの原因が火災保険の補償対象となる事故(火災、落雷、爆発、風災、雪災、物体の落下など)であること
- 偶然かつ突発的な事故による損害であること
たとえば、強風による倒木が建物に衝突し、構造が歪んで傾いた場合などは、補償対象となる可能性があります。
補償される主なケースとされないケース
補償されるケースの例:
- 台風で飛来物が建物に衝突し、構造が歪んで傾いた
- 爆発事故により建物の一部が損傷し、傾きが生じた
- 落雷による衝撃で基礎に亀裂が入り、傾きが発生した
補償されないケースの例:
- 地盤沈下や不同沈下による傾き(地震保険や地盤保証制度の対象)
- 経年劣化や施工不良による傾き
- 地震による傾き(地震保険が必要)
- 故意または重大な過失による損害
保険金請求時の注意点
家の傾きで保険金を請求する際には、以下の点に注意が必要です。
- 事故発生時の状況を正確に報告すること
- 損害状況の写真や動画を撮っておくこと
- 原因調査のため、専門業者による診断書を取得しておくこと
- 経年劣化や地盤沈下との因果関係を明確にすること
補償を受けるための備えと確認事項
- 契約内容を見直し、「建物補償」が付帯されているか確認しましょう。
- 地震や地盤沈下による損害に備えるには、地震保険や地盤保証制度の加入も検討しましょう。
- 建物の傾きが疑われる場合は、早めに専門業者に相談し、原因を特定しておくことが重要です。
- 修繕費用が免責金額(自己負担額)を上回るかどうかも確認しましょう。
おわりに
家の傾きは、住まいの安全性に直結する重大な問題です。火災保険で補償されるかどうかは、契約内容と傾きの原因によって大きく異なります。万が一の際に備えて、今一度ご自身の保険契約を確認し、必要に応じて補償内容を見直すことをおすすめします。
執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/10/23