雪害で屋根修理に火災保険は使える?修理する前に知っておく保険の基本

「大雪で屋根に被害を受けてしまった」

 

という時に、保険を使って修理をすることができます。

 

このコラムでは、雪害での屋根の損害事例から、保険を活用していく基本を解説していきます。

この記事でわかること
・雪害で屋根の修理をする為の、火災保険の基本
・雪害で損害を受けた屋根の事例と工事費用の目安
・火災保険の申請の流れ

 

雪害の修理に火災保険は使える?(火災保険の基本)

大雪で建物に損害が出てしまった場合、火災保険を使って修理をすることができます

 

火災保険は、火災だけでなく自然災害による損害も補償項目になっています。

 

火災保険の補償項目は、火災、風災、水災、雪災、雷災、雹災となっており、大雪による損害は雪災で補償を受けられます。

 

雪災は、雪の重みや落下、雪崩による損害が対象となります。

 

雪が溶けて洪水が発生した場合は、水災の補償項目になりますので注意が必要です。

 

申請期限に注意

火災保険には、損害を受けてから3年以内に申請されたものを対象としています。

 

期限を超えてしまったものは、補償の対象外となります。

 

特に、都市部は毎年大雪が降らないので、申請忘れには気を付けたいところです。

 

火災保険が使えないケース

火災保険が適用されないケースがあります。

 

経年劣化は保険の対象外

火災保険は、あくまでも災害で受けた損害を補償してくれるものです。

 

なので、経年劣化が原因で壊れてしまったものは対象外になります。

 

しかし、屋根の上は日常的に目に見えないので、壊れた原因が経年劣化なのか、大雪などの自然災害で損害を受けたのか判別が難しいところです。

 

築年数が経過していると経年劣化と自己判断してしまいがちですが、意外と自然災害が原因で損害が受けているものが見つかりますので、一度専門の業者に診てもらうことをおすすめします。

 

免責金以下の修理は補償されない

2010年頃の火災保険より、多くの加入者が保険料を安く抑える為に、保険金の支払いに対して免責金の設定をしているプランが増えています。

上記の契約の場合、3万円の免責金額が設定されていますが、損害額が免責金以下の場合に保険金の支払いはされません。

 

保険料を安くする為に、免責金を10万円など高額に設定していることもありますので、一度ご自身の契約内容をご確認ください。

 

また、マイホーム購入時に契約していてすでに20年以上経過している火災保険は、20万円以上の損害があるものしか認めてもらえない場合もあります。

屋根の損害事例

雪害で屋根に損害を受ける事例の代表的なものをいくつかご紹介します。

 

雪が降り積もると、重みで建物全体に歪みが発生します。

雪は上から降ってくるので、特に屋根は上からの圧力を受けるので家にダメージを受けやすい部位になります。

こちらの屋根は、全体的に凹みが見られているだけでなく、雪の重みで留め具と屋根材の間に隙間が発生しています。

 

雪の重みで歪みが発生することで、屋根材を留めている釘が抜けたり、浮いたりすることもあります。

 

雪の多い地域になると、雪の落下を防ぐ雪止めが設置されています。

下記の例は、雪の重みで雪止めが捲れ上がって曲がってしまっています。

根元の釘も抜けてしまっているので、本来の機能を失っています。

 

こちらの例は、瓦が割れています。

2階から1階に落雪したことによって割れてしまっています。

 

屋根の修理費用の目安

屋根の修理といっても、部分補修から全面的に葺き替えをするなど工事にも幅があります。

 

その為、修理費用もピンキリになりますが、一応の目安を掲載しておきます。

 

部分補修の場合

工事内容費用の目安
部分的な屋根材の差し替え〜5万円
雪止めの設置3〜50万円
漆喰の補修3〜10万円
棟板金の交換3〜10万円
部分的な瓦の交換〜5万円
雨漏りの補修5〜30万円

 

全面修理の場合

工事内容費用の目安
屋根の塗装50〜100万円
雪止めの交換、設置10〜30万円
全面的な葺き替え60〜200万円
重ね葺き(カバー工法)70〜150万円

 

部分的な補修であれば、数万円程度で済ませられる可能性が高いので、保険の適用を考えるほどではありません。

 

しかし、全面的な修繕が必要となると、上記の工事費用以外に足場が必要になりますので、足場代で10〜30万円程度の費用が加算されます。

 

屋根の工事には、合計で100万円以上の費用がかかることがほとんどです。

火災保険の申請方法

火災保険の申請は、5つのステップで行われます。

  1. 保険会社に連絡
  2. 保険会社から申請書類が郵送される
  3. 保険会社に必要書類を提出する
  4. 保険会社による審査、鑑定人による調査
  5. 保険金の入金

 

火災保険の申請には、自然災害で被害を受けていることを証明する必要があります。

具体的に、下記の書類が必要になります。

・保険金請求書

・事故内容報告書

・修理の見積書

・自然災害であることを証明する写真

 

修理に必要な見積もりは、必要な材料、人件費など細かな内容が必要ですので、専門業者でないと作成ができません。

 

写真撮影も、屋根の上は大変危険なので、プロにお任せした方が良いです。

 

これらの書類を揃えて保険会社に申請を行いますが、書類提出後には保険会社の審査が行われます。

 

審査には、保険会社から依頼された鑑定人が、申請内容と相違ないか確認に来ることもあります。

 

火災保険の認定金額は見積額をベースに、実際の建物を確認した鑑定人の判断で概ね決定されます。

 

なので、申請内容が悪かったり、鑑定人への対応に不備があると、認定金額を減額されたり保険申請自体を否認されてしまうこともあります。

 

火災保険は、マイホームを持つほとんどの方が加入をしていますが、使おうとすると簡単に保険金を受け取れないような仕組みになっているのです。

 

修理業者にすべてをお願いすると失敗する可能性がある

屋根の修理の場合、修理業者やリフォーム会社が、工事をすることを約束に火災保険の申請をサポートしてくれることがあります。

 

1つの依頼で火災保険の申請、工事まですべてを完結できるので一見お得そうに見えるのですが、工事業者にすべてをお願いするのはおすすめできません。

 

理由は、「火災保険の申請=認定」ではないからです。

 

火災保険を申請して、見積り通りに全額認定されれば問題はありませんが、大幅に減額されてしまった場合、工事業者とのトラブルに発展する可能性があります。

 

「半分しか認定されなかったから、半額で工事して欲しい」

 

とお願いをしても、それではまともな工事ができる訳もなく、不足しかお金を自費で支払うか、工事業者に違約金を支払って工事を止めるかの選択になります。

 

最初からすべて自費で行うつもりだったのなら良いかもしれませんが、ある程度の保険金を当てにしていた場合は、後味の悪い結果になるのではないでしょうか。

 

工事と保険を分けて考えると失敗が少ない

あとで失敗することが少ないのは、「工事」と「保険」を分けて考えることです。

 

最初に、火災保険の申請を専門業者にサポートしてもらって保険金を獲得する。

 

保険金の受け取り金額が確定したら、予算に応じて工事業者に依頼をする。

 

予め予算がわかっていれば依頼もしやすいですし、工事業者も不確定な要素がなくなるので仕事を受けやすくなります。

 

屋根の修理は、非常に高額になりますので、「工事」と「保険」を分けて進めていく方法に関しては下記の記事をご参照ください。

火災保険の使い方!失敗しない業者の選び方と進め方について解説

まとめ

このコラムでは、雪害で屋根に損害を受けた時に火災保険が使えるのか?について解説してきました。

 

雪害のような自然災害は、火災保険の補償対象となっていますので、損害が認められれば保険金を受け取ることができます。

 

屋根の修理は100万円以上と高額な工事になりやすいので、保険を上手に使いながらお得に修理をすることをおすすめします。

 

火災保険の活用については、若干の手間は増えますが火災保険申請はサポートの専門業者に依頼をして、確実な保険金を受け取ってから工事の依頼をした方がトラブルになりにくいです。

 

ぜひ、この流れでご検討されてみてください。

 

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